お薬の正しい飲み方
自分用の薬をほかの人に飲ませてもいいですか。
“ちょっとカゼ気味なんだけど、何か薬なかった? ”
“私が病院でもらった薬が残ってるから、それを飲んでおけば”
そのような会話をした経験はないでしょうか。当人たちは、よく似た病気なのだから、同じ薬で大丈夫だろうと気軽に薬をあげたり、もらったりしているのでしょう。ところが、そうはいかないのが、薬の難しいところです。奥さんが病院でもらったカゼ薬をご主人がのんだら、急に具合が悪くなり、亡くなってしまったという話が実際にありました。あとで調べてみたら、ご主人には薬物アレルギーがあったのです。
こうした例からもわかるように、薬はそれを使う人の体質や体調によってときには毒になってしまうことがあります。
したがって、自分の薬をほかの人にあげることも、反対に他人の薬をもらうことも、絶対にしてはいけません。
ちなみに、人間が使っている整腸薬や下痢止め薬、カゼ薬などをペットの犬や猫にのませることも絶対にやってはいけません。
その一番の理由は、人間とほかの動物とでは、薬を体内に取り込む能力や解毒する能力などに大きな差があるからです。
一般に人間以外の動物は、薬が速く作用し、かつ速く効かなくなります。薬を吸収し、排せつする能力が人間よりも高いからです。また、薬の種類によっては人間には効くのに、ネズミなどの小動物には効かないものがあります。
さらに人間と比較して犬や猫などは体が小さく、どの程度の量ならいいのか判断が難しい面もあります。
(日本製薬工業協会 JPMA ホームページより)