乳児健診
当院では6・7ヶ月、9・10ヶ月、1歳半健診を随時行っていますのでお子様の健診ご希望の方はご予約下さい。
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MR(二種混合)ワクチンは麻疹(ましん、はしか)と風疹(三日ばしか)のそれぞれのウイルスを弱毒化した混合の生ワクチンです。
【麻疹(はしか)】
麻疹ウイルスが咳やくしゃみで人から人へ感染しておこります。高熱、咳、鼻水などの風邪の症状で始まり、いったん熱が下がった後、再び高熱となり全身に発疹が出現します。はしかは大変重い病気で、合併症も多く肺炎や脳炎で亡くなったり、後遺症を残すこともあります。また、麻疹にかかった後数年かけて発症し痙攣や知能障害が進行する亜急性硬化性全脳炎を起こすこともあります。
【風疹(三日ばしか】
発熱、赤い発疹、首のリンパ節のはれの3症状が特徴の病気です。熱がでていないことも多く、風邪に似た症状で、普通は3日程度で治ります。重症になると脳炎や血小板減少性紫斑病になることもあります。
妊婦さんにうつると胎児に奇形を生ずることがあります(先天性風疹症候群)。
【接種スケジュール】
MR(麻疹・風疹混合生ワクチン)は1歳の時に1期を1回接種し、年長さんのとき(4月から小学校に入る前の3月まで)2期を1回接種して完了です。日本小児科学会や日本小児科医会では1歳のお誕生日のプレゼントとしてMRの1期の接種を勧めています。1歳になったらできるだけ早く接種をしてください。
年長さんで2期を接種する理由は、生ワクチンを1回接種しても、免疫がつかない子どもが数パーセントいること、また、免疫がついても時間とともにその免疫が落ちてしまう子どもがいるからです。
特に麻疹は重篤な病気です。WHO(世界保健機構)でも根絶を目指していますので、集団での接種率を95%以上に上げることが必要です。
【0歳児への接種と緊急接種】
保育所などに入所する場合、9ヶ月を過ぎていれば麻疹単独の接種(任意接種)をお勧めいたします。その際、1歳を過ぎてのMRの定期接種は1期、2期ともに通常通り行い、麻疹は計3回接種となります(ただし、麻疹ワクチン接種から4週間が経過していないとうてません)。
麻疹のワクチンを接種していない子どもが麻疹の患者さんと接触、あるいは接触した可能性がある場合、ほぼ100%麻疹を発症します。特に1歳未満で麻疹にかかると死亡を含む重症化の率が高いと言われています。しかし、麻疹患者と接触後3日以内であれば、緊急ワクチン接種により発症を予防できる可能性があります。この場合、生後6ヶ月以上であれば麻疹単独のワクチン接種が可能です。この場合も1歳を過ぎてのMRの定期接種は1期、2期ともに通常通り行い、麻疹は計3回接種となります(ただし、麻疹ワクチン接種から4週間が経過していないとうてません)。
【副反応】
麻疹ワクチンの副反応としては、接種後5日から10日くらいに発熱することがあります。また、このとき発疹を伴うこともあります。これは軽い麻疹になったと思って頂いて結構です。他人に麻疹をうつす心配はありません。通常は元気も良く、1日から長くとも2日で解熱します。元気がなくなったり、熱が3日以上続く時は、違う病気が考えられますので必ず受診してください。
風疹ワクチンの副作用としては発熱、発疹、リンパ節腫脹、関節痛などが認められることがあります。まれな副反応としてはショック、アナフィラキシー症状、急性血小板減少性紫斑病(100万人接種あたり1人程度)、脳炎(100万人接種あたり1人以下)が見られることあると言われていますが、これらは麻疹、風疹それぞれの単独接種の際にみられたもので、MRワクチンではいまだ報告されていません。
ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを予防します。
【ジフテリア】
ジフテリア菌が、のどや鼻の粘膜に感染して、高熱やのどの痛み、嘔吐などの症状がでます。悪化すると、菌の出す毒素で心筋障害や、呼吸困難、神経麻痺を引き起こし、死亡することもある重い病気です。
【百日咳】
百日咳の菌により、風邪のような症状で始まり、やがて激しい咳にとなります。息を吸い込むときの「ヒュー」という笛を吹くような独特な咳が特徴です。0歳児がかかると、咳が激しいため、呼吸困難となりチアノーゼや痙攣を起こし、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすことがあります。
【破傷風】
怪我をしたときに、土の中にいる破傷風菌が、傷口から侵入し、菌の出す毒素が神経をおかすため、口が開かなくなったり、痙攣や手足の硬直がおこります。発症した人の2割が死亡する怖い病気です。この菌は日本中どこにでもいるので、決して油断してはいけません。
【ポリオ】
ポリオは、ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染します。増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。成人が感染することもありますが、乳幼児がかかることが多い病気です。
ポリオウイルスに感染しても、多くの場合、病気としての明らかな症状はあらわれずに、知らない間に免疫ができます。
しかし、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。
麻痺の進行を止めたり、麻痺を回復させるための治療が試みられてきましたが、現在、残念ながら特効薬などの確実な治療法はありません。
【接種スケジュール】
1期初回は生後3ヶ月から90ヶ月までで、生後12か月までに3~8週間隔で3回接種します。
1期追加は3回目終了後から6ヶ月以上の間隔をおいて(標準的には終了後1年から1年半)90ヶ月までに1回接種します。
2期として11歳以上13歳未満を対象に1回DTトキソイドを0.1ml接種します。
米国では成人の百日咳患者の増加に伴い、2006年から11~12歳児に対してTdトキソイドに替わり、新しく調整されたDTPワクチン(Tdap)が推奨されています。日本でも2期のDTトキソイドから、DTPワクチンへの変更が望まれています。
【副反応】
接種部がはれたり、しこりが残ることがあります。そのため、接種は左右交代に接種するのが一般的です。また、1~2%の方に接種後、0~1日目に発熱が認められます。その他の副反応は他のワクチンと一緒です。
強いかゆみのある赤い水疱を伴った発疹が全身にできる病気です。発疹は水ぶくれ、かさぶたへと変化します。脳炎や肺炎、皮膚の細菌感染症などを合併することもあります。
【接種スケジュール】
1歳になれば受けられます。
2回目の接種時期は1回目接種後3ヶ月になります。
※水疱瘡の予防接種が定期接種になりました。その理由はMRワクチンが2回接種であるのと同じで、1回では免疫がつかない子どもがいること、またついても時間とともにその免疫が落ちてしまう子どもがいるからです。
65歳以上の方も、下記のように帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛を予防するために1回接種することがお勧めです。
【緊急接種】
水痘に罹患した人と接触後、3日以内であれば水痘ワクチンを接種することで発症を避けられる可能性が高いとされています。接種されたワクチン株により免疫が早く誘導され、野生株の増殖を抑えるためと考えられています。
【副反応】
副反応はほとんどありません。
発熱とともに片方又は両方の唾液腺(耳の下からあごにかけての部分)、特に耳下腺がはれる病気です。
ふつう1~2週間で治りますが、無菌性髄膜炎や脳炎を合併することもあります。治らない難聴になったりします。
【接種スケジュール】
1歳になれば受けられます。日本では1回接種が多いのですが、アメリカでは2回接種と決められています。MRワクチンが2回接種であるのと同じで、1回では免疫がつかない子どもがいること、また、ついても時間とともにその免疫が落ちてしまう子どもがいるからです。
2回目は5歳頃がお勧めです。
【副反応】
接種後2~3週後に発症する一過性の耳下腺腫脹で100人に2~3人程度の頻度で見られます。軽いおたふくになったと思って下さい。他人にうつることはありません。
ワクチン接種後の髄膜炎の頻度はおよそ0.05%で自然感染(1.24%)よりはるかにリスクが低いことがわかっています。
感染したブタから蚊が運んできて感染し、脳炎を起こす病気です。ヒトからヒトへはうつりません。感染したすべての人が発症するわけではなく、約300~1000人に1人の割合で急性脳炎を発症します。
脳炎になると高熱、意識障害がでます。治療が難しく、約3分の1が死亡し、3分の1は重い後遺症を残します。
日本脳炎の発症者数は、毎年10名程度ですが、感染者数はその数百倍いると言われています。日本脳炎は重大な病気でありワクチンでしか防ぐ予防法はありません。WHO(世界保健機構)も接種を強く勧めています。
【接種スケジュール】
定期接種年齢をはずれた子どもは任意接種として接種します。また、現行の日本脳炎ワクチンの免疫効果は4~5年以上あると言われていますので、中国、ロシア、東南アジアなどの日本脳炎の流行地域に渡航する際には、それまでの接種時期を参考にして追加接種を受けることが勧められます。
【副反応】
一般的な副反応は局所反応です。急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の発症が有名ですが、一般の発症率が小児人口10万人あたり0.33%~0.64%であることを考えると、ワクチンによる発症率と変わりありません。
インフルエンザ菌b型という細菌(インフルエンザウイルスとは全く別のもの)による病気で、細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎、肺炎などを起こします。5歳までにかかることの多い病気です。
髄膜炎は早期診断が難しく、重症化します。死亡や重い後遺症の残る例も多くあります。この病気は自然に感染することでは免疫はつきません。ワクチン接種が必要です。
【接種スケジュール】
1、生後2~6ヶ月に接種を開始した場合
生後2~6ヶ月に1回、その後4週以上の間隔をあけて、2回目、また、4週以上あけて3回目を接種します。
4回目は3回目から60日以上あいた12~15ヶ月に接種します。
トータルで4回接種となります。
2、生後7~11ヶ月に接種を開始した場合
生後7ヶ月から11ヶ月に1回目、4週以上あけて2回目を接種します。
3回目は2回目から60日以上あいた12~15ヶ月に接種します。
トータルで3回接種となります。
3、1歳~5歳未満に接種を開始した場合
接種回数は1回だけです。
【副反応】
接種後7日までに発熱が1~4%、嘔吐1~8%といわれていますが、全身反応がほとんどありません。局所反応は他のワクチンと一緒です。
肺炎球菌による病気で、脳を包む髄膜で炎症を起こす細菌性髄膜炎や菌血症、肺炎、中耳炎などを起こします。
髄膜炎は早期診断が難しいため重症になりやすく、死亡や重い後遺症の残る例もあります。
菌血症は髄膜炎の前段階となることがあります。
肺炎や中耳炎は治りにくかったり、繰り返したりします。
この病気は自然に感染することでは免疫はつきません。ワクチン接種が必要です。
【接種スケジュール】
1、生後2~6ヶ月に接種を開始した場合
生後2~6ヶ月に1回、その後4週以上の間隔をあけて、2回目、また、4週以上あけて3回目を接種します。
4回目は3回目の7~13ヶ月後に接種します。
トータルで4回接種となります。
2、生後7~11ヶ月に接種を開始した場合
生後7ヶ月から11ヶ月に1回目、4週以上あけて2回目を接種します。
3回目は2回目の7~13ヶ月後に接種します。
トータルで3回接種となります。
3、1歳に接種を開始した場合
1歳に1回目、60日以上あけて2回目を接種します。
トータルで2回接種となります。
4、2歳~9歳に接種を開始した場合
接種回数は1回だけです。
【副反応】
接種局所の発赤や腫れ、しこりが見られる場合があります。特に心配ありません。
接種した日や2日目位に熱が出ることがあります(38℃以上が1/10人位)が、元気が良ければ放っておいても大丈夫です。
3ヶ月以内の子どもや、熱が3日以上続くとき、元気がないときは必ず受診してください。違う病気が考えられます。
平成24年4月27日に厚生労働省で単独の不活化ポリオワクチンが薬事承認されたことを受け、9月1日からポリオ定期予防接種は、生ポリオワクチン(口から飲むワクチン)から不活化ポリオワクチン(皮下に注射)に一斉に切り替わりました。
また、世田谷区のポリオ定期予防接種は、これまで春と秋に行ってきた集団接種から、契約医療機関での個別接種に変わり、通年で接種できるようになりました。
インフルエンザ対策として 1、ワクチン接種 2、治療 3、生活上の予防 の3つが挙げられます。
以下に詳細を記します。